ソーシャルレンディングの手順はシンプルで、口座を解説して案件を選び、入金して待つだけです。
ただ案件を選んだりする際のコツや注意点があるので、事前にその点を把握しておくと案件選びがスムーズにできるはずです。
またソーシャルレンディングの注意点として、入金した資金の払い戻し・キャンセルについても注意点があるのでその点についても解説していきます。
ソーシャルレンディングを始めるときに必要なもの
ソーシャルレンディングを始めるためには以下の4つを準備しておかなければなりません。年収や資格、投資経験については特に気にしなくても問題はありませんが、年齢については未成年はできないケースが多いので注意が必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- マイナンバー
- 銀行口座情報
- 準備金
ソーシャルレンディングでは、まずソーシャルレンディング業者を選んで口座開設をする必要があります。口座開設のためには本人確認書類やマイナンバー、銀行口座情報が必須です。
そして、実際にソーシャルレンディングをするには投資のための準備金が必要で、運用しても問題のない資金を用意しておきます。中には1万円から行える商品もありますが、どのくらいの利益を得たいのかに応じて資金を用意した方が良いでしょう。
例えば、1年で10万円稼ぎたいという場合は目安として100万円から200万円の運用資金を用意しておけば、5%から10%の利回りの商品を選ぶことで想定していたような利益が上げられると考えられます。
ソーシャルレンディングで初めて投資するまでの流れ
ソーシャルレンディングを始めるまでの手続きは手順に沿ってやればカンタンですので、以下のステップに従ってやってみてください。
1.各ソーシャルレンディング業者に口座開設する
ソーシャルレンディングを始めるときには口座開設をする必要があります。一般的な流れは次の通りです。
- オンラインで申し込みをする。
- 審査と郵送による本人確認を受ける。
- 口座に入金して運用を開始する。
ソーシャルレンディング業者によって申込の流れには違いがありますので、各業者の具体的な口座開設手順のポイントをまとめておきます。
SBIソーシャルレンディング
まず、オンラインで投資家登録をしてログインIDを取得します。必要書類を登録すると本人確認キーが郵送されてくるので、キーを入力して送信すれば始められます。
クラウドバンク
オンラインで口座開設と必要書類の提出をします。その審査結果と8桁のキーが郵送されてきたら、オンラインで入力することで手続きは完了です。
オーナーズブック
本人確認書類の提出も含めた投資家登録と口座開設の申し込みをオンラインで行います。そして、審査を通過するとはがきが届き、投資資金を入金すれば利用を開始できる仕組みになっています。
maneo(マネオ)
ID登録と本人確認書類の提出をオンラインで行うと本人確認キーが送られてきます。そのキーを入力することでソーシャルレンディングが開始可能です。
現在maneoは取引を休止しています。 |
LCレンディング
オンラインで融資口座開設の申し込みをし、本人確認書類をアップロードすると本人確認キーが送られてくる仕組みになっています。それをサイトで入力して投資口座に資金を入金すれば、投資を始められます。
現在LCレンディングは取引を休止しています。 |
2.口座への入金
次にソーシャルレンディング業者への口座開設が済んだら口座に入金します。
入金は案件を選ぶ段階まで急がなくてもよいのですが、新規口座を開設したばかりのときは、案件を選ぶ前に口座に投資資金を入金する必要がある業者がほとんどです。
ただし、業者によっては実際には案件を選んでから投資するお金を入金しても良い仕組みになっている業者もありますので、この点は事前に確認しておくと良さそうです。
投資案件の選定~融資申請までの流れ
ここで、ソーシャルレンディングで投資をするときの案件の選び方から融資を申請するまでの流れを確認しておきましょう。
1.ソーシャルレンディングの案件を選ぶ
次に案件が選択できるようになったら、投資する案件を選んでいきます。
まずは口座を開設したソーシャルレンディング業者の管理画面から投資したい案件を選択します。そして、申込の画面に移動し、投資金額を決め、手続きをするというのが基本です。
ここでどの案件を選ぶかは考え方によって異なりますが、最低限チェックしておきたいポイントは最低金額、利回り、運用期間の3つです。
投資金額については、最低投資金額(いくらから投資できるか)は案件によって違うので、資金をどのくらい確保できるのかによって決めることが大切です。
また、どのくらいの利回りが期待されているかも案件によって異なります。分配金がどのくらいもらえるのかに大きく影響するところですから、慎重に吟味しておくべきでしょう。
運用期間についても案件によって短いものから長いものまであります。分配金の出し方が毎月分配型か、分割型か、一括返済型かによって利益を得られるタイミングも異なるので合わせて検討するようにしましょう。
また、自分の資金を守るため、担保の欄を確認しておくことをお勧めします。
ファンドによっては担保がないものもあります。
2.資金の出金(融資)
一般的にソーシャルレンディングは融資の募集期間が設けられていて、その期間内に必要金額が集まると融資が実行されます。
その際、あなたが融資したお金(必要資金)については事前に開設したソーシャルレンディング業者の口座から出金されることになります。ただしどのタイミングでお金を入金すればいいのかの方法・タイミングは業者によって異なりますので事前に確認しましょう。
またあなたの融資希望金額に対して口座の残高が足りない場合の支払い方法も業者ごとに違います。入金してから申し込むことになる場合と申込後に入金する場合があるので使おうと思っているソーシャルレンディング業者ごとに確認が必要です。
3.融資のキャンセルについて
ソーシャルレンディングはお金の融資で運用する投資法のため、基本的には投資キャンセルはできません。
ただし、一定の融資期間内であればキャンセルできる場合が多いのでキャンセルのルールも投資前に確認しておきましょう。また中には商品によってはキャンセルできない場合もあるので注意が必要です。
ソーシャルレンディングの運用~配当受け取り
ソーシャルレンディングでの融資が成立したら、基本的には運用のために何かすることはありません。期間が経過するのを待つだけでOKです。ソーシャルレンディングは運用を開始した後は期日が来ると配当を受け取れる仕組みになっているからです。
1.融資が完了すると融資に関する通知が来る
ソーシャルレンディング業者によって多少異なりますが、あなたが投資した案件について約束されていた融資の期間が満了すると、申込して融資期間が満了すると融資が実行できたかどうかについての通知が届きます。
業者によって通知方法は異なりますが、業者の管理画面で確認できるほか、登録しているメールアドレスに連絡が届くのが一般的です。
2.分配金の振り込み(受け取り)について
運用をして期間が満了すると、指定の方法により分配金が振り込まれます。
配当の受け取り方は毎月分配型、分割型、一括返済型の3種類があり、投資期間が満了して完済されれば投資分も回収することが可能です。
毎月分配型では、毎月振込日に運用実績に基づいた分配金をもらえます。
分割型は案件ごとに定められた期間ごとに分配金が振り込まれるのが特徴で、半年や四半期という定めになっているのが通例です。
一括返済型は投資期間が終わったら出資金と合わせて分配金をまとめてもらえる仕組みになっています。
満期になって返済がきちんと行われればどの方法であっても償還金は手に入りますが、分配金の手に入るタイミングは同じではありません。
毎月分配型が利息を手に入れる上で最もタイムラグが少ないものの、一般的には利回りは低めになっているので注意が必要です。
ソーシャルレンディングの案件選定のコツ
ソーシャルレンディングは融資であるものの、実質的には投資する形の資産運用になります。
そのため投資したお金が必ず全額返ってくるとは限らず、損失を生んでしまうこともありますので、どの案件に投資するかを検討するときには、リスクについてよく考えて決めることが大切です。
またソーシャルレンディングならではの注意点があり、通常の投資物件の選定とは異なる点があるのでその点を踏まえて上手に案件選定をしていくことが鍵になります。
高利回りにとらわれずバランスの取れた案件選定を
初めての投資でどうしてもやってしまいがちなのが「利回りが高い案件なら稼ぎやすい」と食いついてしまうことです。
ソーシャルレンディングは、これまでもお話しているように、“融資”になりますので、投資家の目線ではなく、この案件が融資を受ける企業の立場から見たときに無理なく返済できる案件かどうかを考え、リスクの少ない案件を選んでいくことが失敗しないためのポイントとなります。
逆に利子が大きくて返済が困難になるような案件では、結果として融資を受けた企業が借入金を返済できない状況に陥ってしまって倒産してしまいます。こうなってしまうと投資回収が不可能になってしまいます。
ですから利回りが低いと利益が少なくなるのは確かですが、投資回収ができなくなるリスクも低いため、案件選定では高い利回りと低い利回りを織り交ぜながらバランス良く選ぶことが大切です。
【注意】貸金法により融資先の情報開示が非公開
ソーシャルレンディングでは、金融法により融資先の情報が開示できません。
要は、出資者と投資先の匿名性を確保する仕組みになっています。
そのため、投資家としては同じ投資先に重複して融資(投資)してしまったり、本来情報があれば貸さないような不安な相手に融資してしまうことで貸し倒れが起き、出資したお金が失われることになるため、投資家としては融資先の判断ができないことはリスクです。
ただこの点については各ソーシャルレンディング業者で工夫がなされており、業者名は伏せますが事業業態・会を識別子するための記号番号をつけ、重複融資がなされないように対策しています。
ですから、あなたがソーシャルレンディングで投資をする場合は、こういった背景も十分理解しながら得られる情報を最大限に活用して融資先が重複しないよう調整して投資していくことでリスク回避が可能です。
注)2019年3月に、金融庁の法令解釈に係る照会手続により、匿名化の緩和が行われております。
そのため、貸付先の業者の名称などは公開を実施しているところが多くなっています。 |
不動産案件は情報開示されています
不動産関係の案件の場合は、物件情報が開示されているケースがあります。
物件情報がわかればリスクの高さを判断することは可能なため、ソーシャルレンディングにおけるリスク分散に有効活用することが可能です。
ソーシャルレンディングの投資リスクを低減させるための戦略として念頭に置いておきましょう。
ソーシャルレンディングの手順まとめ
ソーシャルレンディングの流れはつかめましたか?
ソーシャルレンディングは一度流れを掴んでしまえばカンタンなので、とにかくまずは1件でもいいので投資してみることでイメージが具体的になります。
案件選定も色々とコツがありますが、少額で投資しているうちは何かあってもリスクが少ないため、まずは練習も兼ねて幾つか実践してみるとよいでしょう。
やっていく中で、利回りに潜むリスクとリターンのバランスを考えて案件を選定できるようになるはずです。